インタビューvol.6 花岡車輌 花岡雅さん【後編】

白河二丁目にある創業84年の物流機器会社「花岡車輌株式会社」さん。農業トラクター用トレーラーの製造から始まり、台車製造への事業転換、さらには空港用物流機器製造への着手と常に先を読んだ事業展開を進め、今に至る会社さんです。前編では会社概要や歴史をお話いただきましたが、後編ではこの夏リニューアルしたショールームのこだわりや地域との繋がりについて、引き続き取締役の花岡雅(はなおかまさし)さんにお話を伺いました。(2017年9月)

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先先代の社長の口ぐせが生かされたショールーム。

ー 社憲??

当社の社憲です。創業時からあるもので、これ、原本なんです。社員は毎朝朝礼で声にだして読んでます。今までは裏の倉庫に飾ってて読んでたんですが、お客さまへの誠意にもあたるので、今回のリニューアルを機にショールームに飾って、毎朝ここで読むことにしました。月、火、水、、、、と一日に1つずつ読みます。本社、工場あわせて全社員で100人くらいなのですが、みんな空で言えちゃうんですよ。

ー 愛社精神が養われますね!ところで、社憲だけでなく、このショールームはアクリルパネルがたくさん使われているようですが、、、。

ええ、今回のショールームを作りに当たり、先々代の口ぐせがキーになったんです。

ー 口ぐせ?

入り口に入ったときにどう見えるかを考えろ、と。ここ白河二丁目に本社を建てる際、口酸っぱく周囲のスタッフに言っていたようです。その言葉が先代、現在の社長に受け継がれて、私に。。。もう耳から離れません(笑

このショールームは、右手にエントランス、左手に製品を置いていますが、入口に入ったときに、狭いと感じさせないよう工夫しています。視線が先の方まで突き抜けるようコンセプトを考えました。アクリルパネルを多用しているのもそのためです。奥行きを出したかった。事業や社史のパネルなんて本当は白のほうが見やすかったんです。ただ、そうしてしまうと圧迫感がでてしまいます。

同様に、会議室も通常は枠があってガラスがはまっているものですが、ガラスの突きつけにしている。フレームで目が止まることもなく1つにつながっている感じを出しています。曇りガラスもグラデーションにしているんですね。真ん中だけが濃い。真ん中はこちらから会議室を見ようとするとアクリルパネルが濃い部分を遮るので、視線も奥まで届くようになっているんです。

ー どれも意図があるんですね。

そうですね。また、本来は冷房を天井に付けたかったのですが、奥行き感をだしたくて天井ぶち抜いて上にくっつけました。配管も丸見え(笑 正直なところ、天井材がアスベストだったので、これをどちらにしろつけかえなければいけないので、それだったらということで、とっちゃったんですけどね(笑

 

ー 製品エリアにもたくさんの工夫がなされていそうですね?

おっしゃるとおりです(笑 1つクイズをださせてください!台車メーカーならではの悩みがあるんですが、何だと思います?

ー なんだろう。。

台車は動くので、長年ショールームに置いておくと、壁が穴だらけになるんですよ。それを防ぐために壁の下方部をステンレスでガードしています。

ー 空港みたい!

そうなんです、アメリカだとこういうガードされている壁は多いんですけどね。ショールームのリニューアルって頻繁にしないので、壁をキレイに使い続けられるようつけました。

その他にも床材にはこだわっています。切り返しで、絨毯とタイルになっていますよね。摩耗性が違うので、お客様に台車の機動性をそれぞれお試しいただくために、床を二種類用意しました。

また、このタイルなんですが、ここにもこだわりがあります。

ー と言いますと?

この台車はジャッキの構造なのですが、中に油が入ってて、圧を加えることで上に上がっていきます。ジャッキって長年使用しているとどうしても油もれしちゃうんです。前回は絨毯だったので、油が染み込んで大変だった。油まみれ。そのために今回のタイルは耐油性が優れている素材を使っています。さらにですね、台車自体が230kgくらいあって、絨毯だと凹んでしまうんですけど、タイルは復元性も高くて、壁同様、キレイな状態を保つことができるんです。

ー それにしても、この壁キレイですね。ロゴもカッコイイ。

ありがとうございます!奥行き感をだすために、この壁にはカラーガラスを使ってます。ガラスが白だと奥行きが無くなるんですが、ガラスがあって、乳白色のシートを重ねていて。ガラスを通すことで奥行き感がでるんですよ。

ー 圧迫感が無い!

でしょ!(笑 狭く感じないようにするにはどうすればいいか、何度も何度も社長と議論しました。お褒めいただいたロゴマークの素材も、実はガラスを通しているんです。このデザインは東京大学のユニバーサルデザインの権威の先生につくってもらったもの。ロゴを製作していただいた2001年当時、このグラデーションがAdobe Illustratorで再現できなかったんですよ。フィルムで積層させて、写真を撮って、ロゴマークに埋め込んで、と大変だったみたいです。今では、表面クリスタル、裏にグラデーションを貼っているので、奥行き感がでてますよね。

ー それにしてもこのキレイな壁は何か他に使うんですか?

新製品などを社外に発信をするために動画撮影をするのですが、その背景に使ってます。三脚を立ててカメラをセットしたときに、自分の身長より高いところにロゴが見えて、全体が映るように配置しました。撮影、編集、プレゼン全て一人でやってます。(笑 これからどんどん社外に発信していきたいと思っているので、社内にこのような空間がほしかったんです。

ー このロゴのある壁はとても目立つし、外歩いている人からよく見られるんじゃないですか?

おかげさまで、おとなりにセブンイレブンさんが出来ましたし、道行く人が、ちらちら中を見てくださって宣伝効果バツグンです(笑

実は、ショールームのリニューアルを記念して、ここで社員だけのお披露目パーティーをしたんです。縦型のブラインドを締めてスクリーンに仕立てました。プロジェクターで150インチくらいの画面を映し出して、昔の会社の写真を映し出したり、JAZZ流したり、お酒飲みながら。みんなでものすごく盛り上がりましたよ!

わざとブラインドの半分はあけたままにしておいたんですが、その時もたくさんの通行人の方々が中を見てくれて。(笑

ー 狙い通りだったわけだ(笑

 

学生時代に思い描いたことを実現させたい。

ー ショールームがリニューアルしたわけですが、今後は清澄白河の街とどのように関わっていかれるのですか?

そうですね、ここから先は私がどう進めていくかにかかっているんですが、大学院時代に、当社のブランディングを研究材料にしていたんです。その時に行き着いた結論としては、もっと地元に密着するような場所があればいいなと。

清澄白河はアートの街であり、デザインを学んでいる者として、どのようにかかわっていけるだろうか。花岡車輌と地域をどうつなげられるだろうか。この一階を製品を展示する場としてだけでなく、地域の方にお貸しすることで、すごくいい相乗効果が期待できるのではないか、という内容で論文にしているんです。

ー 学生時代にすでに会社と地域の繋がりを考えてらしたんですね。

近くにブルーボトルコーヒーさんの一号店があるし、ここで台車カフェなんてしてみたら面白いよね、って社員と冗談で言ってます(笑 テーブルが全部台車っていう(笑 それはさておき、やっぱり地域の方となにかできたら面白いですね。土日は使っていないので、ご利用いただければ面白いなと個人的に思っています。

清澄白河はアートはもちろんのこと、コーヒーもこの街のアイデンティティのひとつだと思っていますが、当社としては、この地で台車を作り、アイデンティティを作ってきた自負があるので、地域の方々と一緒にこの街を盛り上げていきたいですね!

ー ぜひこのスペースで何か一緒にやりましょう!

いいですね、ぜひよろしくお願いします!

ー 本日は素敵なお話をありがとうございました!

 

ということで、縮小したスペースでも奥行きを出すために、また台車メーカーならではの無数の工夫がちりばめられたショールーム。雅さんが学生時代に思い描いていた姿に近づくべく、今後よりいっそう花岡車輌さんと地域の方々が密接につながる機会が増えていくのでしょう。これからが楽しみです!

 

Photo by Maki Hayashida

 

花岡車輌株式会社
白河2-17-10
03-3643-5272

<Website>
http://www.hanaoka-corp.co.jp/
<Facebook>
https://www.facebook.com/HANAOKASHARYO/

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2017-10-05 | Posted in InterviewNo Comments » 

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